日曜の昼下がり。本を読んでいたはずが、いつの間にかうたた寝をしていたようだ。
「はぁ」
ため息をひとつついた。日曜の午後になると毎回こうだ。月曜日の足音に耳を傾けてしまう。たまった仕事がのし掛かってくるのを感じる。
結局今日も無駄に休日を過ごしたな…。
再びため息が出る。
カーテンを開けると絵に描いたような青い空が広がっていた。
少し外の空気でも吸ってみようか。
そう思い、家を飛び出した。
外は晴れているにも関わらず、暑すぎることのない快適な気温で、吹き交う風は秋の香りを運んでくる。なにも考えずに気ままにどれほど歩いただろう。いつのまにやら私は川沿いに立っていた。
川は空のように青く輝き、鳥が今か今かと風を待ちわびていた。
「ああ、美しい。」
無意識に声が漏れていた。
目の前に広がる雄大な景色を前に、私は胸がたかぶるのを感じずにはいられなかった。
「陽光や 水面に踊る 秋の風」
水面はキラキラと輝き、秋風が吹き荒ぶ風景に心が震えるのを感じる。
ああ、こんな美しい光景を眺めることができて、いい休日だった。
風に吹かれながら、私は家を出る前に感じていた憂いが吹き飛ぶのを感じた。
空には鳥が羽ばたいていた。