怒涛の９月が瞬く間に過ぎ去り、気が付けば１０月に入っていました。
ついこの前まで夏だったような気がしますが、朝晩の空気はすっかり秋模様。
今日の空も雲一つない秋晴れ。
日向にいれば少し暑く感じますが、風はもう秋を運んできます。
昨日、仕事終わりに名古屋の街中を歩いていると、先日まで閑散としていた飲食店から、多数の笑い声や店員さんの掛け声が聞こえてきました。
ああ、緊急事態宣言が明けたんだな、と言い知れぬ安堵感と共に、ほんの少し心が明るくなりました。
コロナが流行る前の夏といえば、友人や家族とBBQをしたり、飲みに行ったり旅行に行ったりいろいろしていましたが、昨年からはなかなかそういうチャンスもなく、寂しい夏が２年連続で過ぎ去ってしまいました。
街中には、今までのうっ憤を晴らすかのように店に入っていくサラリーマンもいれば、まだ入店するのを躊躇して涙ながらに店に背を向ける私のような人間もいました。
飲食店に恋焦がれる心を胸に抱き家に帰ると、妻が缶ビールを用意してくれていました。テーブルにはきゅうりがのった冷麺も。
今年の夏はキュウリもろくに食べてなかったな。
そんなことを想いつつ、口に運んだキュウリからは、ほんの少し青臭い、若い夏の香りが通り抜けました。
「また来年な」
そうぽつりとつぶやき、ビールで喉を潤す金曜日でした。
