春は脳みそがポカポカいい感じに温まって、あらゆる妄想が脳内で言語化され、青い空に紡ぎ出されて絵を描く。
雲を見上げて、「ああ、いい天気だ。こんな日はお酒を飲んで芝生に横になりたいな」と思うと、不思議なことに雲が麦酒のジョッキに見えてくる。
そのジョッキの横で、白い犬が走っているようにも見えてくる。そしてその白い犬が次第に大きなボールになるなど、妄想が新たな妄想を掻き立て、ただの青空が巨大な美術館に思えてくる。
雲が先か、妄想が先か。
それはよくわからない。
でもこんな春のちょっとした隙間時間に眺める空と吹き交う風が、最高に気持ちいい。