美濃んちゅの酒場

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小学生時代の淡い思い出

大人になると時が過ぎるのがあっという間に感じる。

ついこの前まで小学生だった従弟が、気づいたら高校生になっている。

本人にとっては小学生から高校生に至るまでの時間は長く濃厚なものだったに違いないが、私にとっては一瞬の出来事である。

私が小学生の頃暮らしていた実家は山の中腹に位置し、自然と共にあった。

家から小学校までは道のりにしておよそ4kmほどあり、坂道を上って下って毎日せっせと通っていたのを思い出す。

小学校に通う道のりは基本田んぼか林道で、夏になれば多くの生き物が、冬になれば静寂が包み込むそんな環境であった。

今では考えられないかもしれないが、平成10年代当時、岐阜の田舎ではインターネットに触れているのはクラスの3人ほどで、都会や社会の最新の情報はもっぱらTVから入手するのが常識だった。私の実家にインターネットが開通したのも私が中学生になってからであったし、携帯電話は高校生になってからが常識であった。

そんな田舎町で過ごしていた小学生時代は、今思えばとても懐かしく、輝かしい思い出であるが、当時は退屈していたであろう。

遊ぶことといえば虫取りや石合戦、友達の家や神社の境内でゲーム。ん?意外と退屈していないのか?

そんな小学生時代で私が印象的に残っている出来事がある。

私たちが首つりロードと呼んでいた森があり、そこではその名の通り首をつって自殺する人が多いと噂される道である。

嘘か真かは今ではわからないが、少なくとも近所の大人や親からは子供だけでは近づいてはいけないといわれていた。

しかしながら「ダメ」と言われれば行きたくなるのが子供の性である。

私は友達3人と共に、(日中ではあるが)肝試しにいった。

首つりロードといわれる道は、県が管理する林道の脇道にあり、舗装もなにもされていないみちである。日中であるにも関わらず不気味なほど薄暗かったのを覚えている。

私と友達ははしゃぎながら首つりロードを意気揚々と進んだ。途中落ちている棒きれを剣に見立て、気分はRPGの主人公気分であった。

首つりロードを進んでいくと、不意に友達の一人が「何か音がする・・・」と言い始めた。うす暗い森の中、本当にお化けがいるのかもしれない。

さっきまではしゃいでいた子供たちを急に恐怖心が覆った。

すると、目の前の藪ががさがさと動いた。

我々は「うわーーーー」と叫びながら一目散に来た道を駆けだした。

その後僕たちは首つりロードには近づかなくなった。

 

大人になった今思えば、あの時藪で動いたのはおそらく動物か何かだろうと思う。

しかし小学生の僕たちにそこまでの冷静さはなかった。

ただ不思議なことが一つだけ。

先日当時の友人たちに会う機会があったのだが、誰一人としてこのエピソードを覚えていないのだ。それどころか、あれほど話題になっていた首つりロードという言葉自体誰も覚えていなかった。

首つりロードとは何だったのだろうか。

私にしかない記憶なのか、私の妄想なのか。

実家に帰る機会があれば、もうあの道を一度訪ねてみようと思う。