観光地化することで、メリットもあればデメリットもある。
これは様々な学問分野で指摘されていることである。
今回は、かつて取材した岐阜県馬籠宿での事例をヒントに、観光地の抱える問題を簡単にみてみよう。
中山道の宿場町の景観をとどめており、江戸時代の情緒を感じることができる人気のスポットである。筆者がこの地を取材したのは大学2年の夏。観光地の抱える問題というテーマでレポートを書くために訪れた。
取材当時はコロナなんて流行る前だったこともあり、多くの外国人観光客や日本人観光客が訪れていた。そんな中で、アポなし突撃訪問の怪しい大学生の質問に答えていただいた3件のお土産屋さんに感謝の気持ちをここで示したい。時を超えてありがとう。
まず、3件に共通していた問題点は下の2つだ。
ただし、これは取材当時の問題意識のため、現状は異なっている可能性もある。
・観光客にプライベート空間をのぞかれる
・自由に建て替えができない
まず、「プライベートをのぞかれる」とはどういうことか。馬籠宿は人が現在も住む宿場町である。自分が所有する家や蔵の景観が観光材料なのである。自分の家の前を観光客が大勢歩いて写真を撮られる。想像できますか?
ある女性は、家の敷地内に観光客が入ってきて困ったというエピソードを聞かせてくれた。馬籠で暮らす人には、当然ながら観光客向けのゾーンと自分たちのためのゾーンがはっきりと分かれているのだが、観光客からしてみればその境界線がよくわからない。
そのため、観光客と地元住民の間で若干のすれ違いが起きていた。
また別の男性は、観光客が多すぎて買い物に出かけることが難しい時があると語ってくれた。観光客の車が多ければ、地元住民の生活にも支障が出ることがわかる。
しかし当然ながら悪いことばかりではない。
先の女性は、観光客に地元の歴史を話すために歴史を学びなおして地元への愛着がわいたと語ってくれた。
別の女性も、地元で商売ができる喜びは何物にも代えがたい喜びだと語ってくれた。
過疎化が進み、若者が他地域へ流出する地方部にとっては、観光地化によって地域資源の再発掘やお土産店などでの雇用の確保は人口の流出を食い止める堤となっていた。
とまあ、観光地には光もあれば影もあるっていうのをすごく簡単に雑に書いてきました。この記事ではなんの解決策も示してはいません。解決策が欲しい人は個別にご相談ください。ろくでもない解決策を無限に提示することが可能です!!