美濃んちゅの酒場

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養老で会った御老人の話

養老鉄道って鉄道は、恐ろしいほどに本数が少ない。たまたま仕事で乗る機会があり、こうして養老鉄道に思いを馳せているわけだが、普通に暮らしていたら一生縁がなかったかもしれない。

そんな養老鉄道で大垣行きの電車を待っていると1人の御老人に話しかけられた。

切符の買い方がわからず困っているようだった。

私は前日に一度乗っていたため、切符の買い方を説明した。すると礼を言わんとばかりに御老人の身の上話を聞かせてくれた。

御老人は見た目は若いが、御年が85になるそうで、最近まで車を運転していたそうだが、先日免許を返納したという。

免許を返納した理由は何かあったの?

私が問いかけると、御老人は身の回りに起きたことを語ってくれた。

御老人の近所に仲睦まじい老夫婦が住んでいたそうだ。ある日老夫婦は、旦那さんが運転する車で買い物に出掛けたそうだ。買い物も終わり、駐車場から道路に出ようとした際に、トラックと事故を起こし奥さんが亡くなったそうだ。旦那さんも全身の骨を折る重症で、2ヶ月ほどで亡くなったらしい。

御老人は事故について、「旦那さん左からくるトラックに気づかなかったらしい」と言っていた。また、御老人は亡くなった旦那さんが最期まで亡くなった奥さんに対する懺悔をしていたとも語っていた。

そんな老夫婦の事故を目の当たりにして、自らも事故を起こす前に免許を返納しようと決めたのだと。

御老人は車の方が便利だが、事故を起こしたら元も子もない。あまり電車は乗ったことがなく不安だけど、これからは電車の時代だよ、そう言った。

そろそろ電車が来そうだと言って御老人は反対側のホームへと渡っていった。その足取りは確かに年相応の弱々しいものであったが、その勇気ある決断をした姿は、英雄のようであった。