仁星のシュウ。
あ、今北斗の拳の話をしています。
弱者を守り、未来への光を繋ぐために自らの光を失った。そんなシュウに憧れて、かつての僕は弱者を守るために戦った。
時には募金箱にバイト代を突っ込んだり、金のない友人を町に連れ出し奢りで酒を飲んだり、ナンパされて困っている友人をさりげなく助けたり、色々なことをした。
だけど、気付いた。
これは別に人助けでもなんでもない。
ただの自己満足だと。
本当の意味での人助けとは何か。
私はその答えを北斗の拳に求めた。
北斗の拳を読み直し、私が見いだした答え、それは…愛。
シュウもレイもシンもサウザーも、あの熱い漢たちを突き動かしていたものは愛だった。
愛する人のために悪役となったシン、愛するもののために命をなげうったレイやシュウ。愛のために悶え苦しみ、愛を捨てきれなかったサウザーも。愛こそが彼らの源だった。
私が本気で人を助けるためには、愛が必要だった。自己愛ではなく、他者への愛が。
過去に行っていた募金、飲み、ナンパの回避、これらは結局自己陶酔であり、真の愛ではなかった。
それに気付いた僕は、他人を愛することを決意した。それからの人生は薔薇色だった。
彼女もでき、仕事もうまくいき、太った点を除けば人生薔薇色カーニバル。
だった。
そう、あのときまでは…。