はじめに
こんにちは。美濃んちゅの酒場マスターの雪丸です。
最近は家でやることもなく、YouTubeのディスカバリーチャンネルの動画を垂れ流し見ながら、もし自分が無人島に流れ着いたらどのように生き残ろうかを想像しています😊
まだ魚が釣れる環境ならいいんですが、もし魚もいない、ほ乳類もいない、そんな環境に放り出されたら何を食べればいいんでしょうかね。。
昆虫食って?
昆虫食、文字通り「昆虫を食べること」です。
ディスカバリーチャンネルでもたびたび蟻とかが食べられています。
我々現代の日本人にとっては一見なじみの薄いように感じる昆虫食ですが、実は日本は世界の中でもかなり昆虫食文化が根付いている国であるといわれています。
日本の昆虫食で一番有名なのは、イナゴでしょう。
日本では東北から九州にかけて広い範囲でイナゴが食べられています。
有名なものは佃煮でしょうか。
私の住む岐阜県でもスーパーに行けば売っています(買ったことはないですが…)。
イナゴを食べるときは、おそらく地域・家庭によって下処理の方法も異なるとは思いますが、私が聞いたのは捕まえたイナゴはすぐに食べるのではなく、一晩虫かごの中に入れておくそうです。
そうすると、イナゴが糞を排泄するためイナゴの腸がきれいになるそうです。
また、イナゴの後ろ脚は食べるときに不快なので調理前にちぎるそうです。
私もちぎらせていただきましたが、簡単に取れるので不思議な気持ちになります。
またほかに有名なものは蜂の子でしょう。
文字通り蜂の幼虫です。
ミツバチやアシナガバチの幼虫も食べられているそうですが、主流なのはスズメバチ種です。こちらも佃煮にしていただくことが多いそうです。
岐阜で愛されるヘボ
岐阜県の東濃地方、特に恵那市・中津川市のお土産屋さんにいくと目にすることが多い「ヘボ」という文字。初見の観光客の人は「ヘボってなんだ?」と思われるのではないでしょうか。
このヘボ、東濃地方では超高級品のごちそうとされています。
ヘボとは、クロスズメバチを指す方言のようなもので、海のないこの地方では古くから山でとれる貴重なタンパク源として愛されてきました。
特に恵那市の串原地区や中津川市の付知地区などの旧恵那郡を中心とした地域で非常に愛されており、串原地区はヘボの聖地として崇められており、毎年「ヘボ祭り」というお祭りも開催されているほどです。
昔は貴重なタンパク源として老若男女問わずみんなに愛されてきたヘボですが、近年はスーパーマーケットなどで簡単に良質なタンパク源を手に入れることができるため、地元の人間でさえ食べる人は年代が低くなるほどに少なくなっています。
しかし、その味は格別だといわれ、さらには海外に端を発する昆虫食ブームに押され、現在なお各地に熱烈なファンや愛好家が数多居り、近年再び注目を集めています。
最近では、若年層にも手軽に食べてもらいやすいように、ヘボを使ったお菓子の開発をなう人もいて、日本における昆虫食ブームの火付け役となることが期待されています。
昆虫食初体験
実は私雪丸、このヘボ文化が息づく土地で生まれ育ちました。
ところが恥ずかしながら、22になるまでヘボどころか虫を食べたことはありませんでした。ええ、これが伝統文化の現実なのです。。
決して自ら昆虫食と距離を置いていたわけではありませんが、私の家では祖父母が昔食べていただけで、両親の世代にはすでに家庭から昆虫は消えていたそうです。
私が昆虫を食べるきっかけとなったのは、大学時代の出会いでした。
私は地元東海地方の大学に通っていたのですが、ひょんなことから東京の大学の先生からヘボ祭りへの参加のお誘いを受けまして、そこで初めて昆虫を食べることになりました。
正直抵抗はありました。
いくら地元の文化とはいえ、私にとっては未知のものです。
私の初めての昆虫は、ヘボ(幼虫)となりました。
それも生きているヘボです💦
巣からお爺さんがピンセットで抜いたものを、直接僕の舌の上においてくれました。
脳内はパニックですが、その場にいた僕以外の人間はヘボ愛好家。
ヘボを愛する人の前で、無様な姿を見せるわけにはいきません。
私は、勇気を振り絞り、ゆっくりと噛みました。
おいしい。
例えるならば濃厚なクリームチーズのような味。
プチッという触感だけはやはり抵抗感がありますが、これは非常においしい。
気づけばもう一匹いただいていました。
私はこの時思い知りました。
私はこれまでもヘボについて県外の人に紹介することがありました。
しかしそれはフィールドの外から試合をみて、まるで自分が試合に出たかのように語るピエロのようなものだったと気づいたのです。
やはり試合の本当の面白さであったり、大変さというのは、実際にフィールドに立ってみないとわからない。そう思いました。
昆虫食の初体験は、ただ未知との出会いというわけではなく、雪丸という人間を一つ大きくしてくれた、そう感じております。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
一見抵抗感がある昆虫食ですが、試してみると非常に良いものであります。
ただ一点皆様に知っておいていただきたいのは、昆虫食を文化として担っている人々がいるということ。ヘボを愛する人の前で面白半分にヘボ料理を注文して写真だけとって食べずに残す。このような行為は非常に悲しいものがあります。
私も、ヘボご飯などはビジュアル面で若干まだ抵抗感がありますが、一口食べてみると最後まで食べたいと思う料理です。
一度はまるとやめられない。
そんな不思議な昆虫食の世界を体験してみませんか??